イノシシ科
イノシシ科 (猪科) は、脊椎動物門・哺乳綱・ウシ目に属する動物の一科。指先が蹄になるシカやカモシカなどと同じ偶蹄類の仲間で、神経質な動物である。
偶蹄類の祖先は、中新世から鮮新世の気候変化によって森林から草原などに進出し、それぞれが異なる進化を遂げていった。アフリカの広大な草原にはウシの仲間が、ツンドラや温帯の草原にはシカの仲間が、開けた山岳地帯にはヤギやヒツジの仲間が進出を果たしている。しかし現在もその多くが森林に残るイノシシ類は、そのまま原始的な特徴を色濃く残し(他の偶蹄類に比べて指と歯の数が多い、牙があるなど)、また、単純な構造の胃を持ち反芻をしないため、栄養価の高い食物を必要とする。つまりは農作物の嗜好が高いということでもあり、その農業被害が各地で問題となっている。雑食性で、地下茎や木の実、昆虫類、ヘビなど何でも食べるが、その身体的構造から見ても本来は植物質が中心である。
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繁殖力が強く、アフリカ大陸からヨーロッパ、アジアにかけて広く分布する。家畜が野性化したものを含めると、寒帯を除く世界中に生息している。現在16種が分類されており、4属から8属にまとめられると考えられている(特に東南アジアには多種が生息)。ブタもイノシシ科の一種であるが、ブタはイノシシが家畜化されたものであり、この2種は同一種に括られている。
夜行性のものも数種見られるが、基本的には昼行性である。というのもイノシシ類は色覚を持つと言われ、青を中心とした色に反応を示すのであるが、これはかれらが元来昼行性であることを示唆している。しかし視力そのものはそれほど発達しておらず、敵や餌の発見は嗅覚・聴覚に頼っている。見通しの良くない藪や森林に生息しているため、そのような進化を遂げたと考えられる。嗅覚はかなり鋭敏で、ヨーロッパでは地中のトリュフ探しにイヌと共にブタも利用される。